ジェルネイルをしたあとに爪のまわりがかゆい、赤くなった——そんな「かぶれ」が気になる方に向けて、かぶれのサインと出やすい場所、気づいたときにまずやること、次のネイルの考え方を解説します。かぶれは自己判断で様子を見続けるより、早めに皮膚科で相談することが大切です。本記事では、青森県三沢市のNail Salon ‘emが、日本皮膚科学会のガイドラインと日本ネイリスト協会の注意事項をもとにまとめました。
息苦しさがあるときは、ためらわず119番に連絡してください。全身に広がるじんましんや顔・まぶたの強い腫れがあるときも、皮膚科の予約を待たずにすぐ医療機関を受診しましょう。
ジェルネイルの「かぶれ」とは?
一般に「かぶれ」と呼ばれる症状は、医学的には「接触皮膚炎」といい、皮膚に触れた物質によって起こる湿疹性の炎症のことです。日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン2020」では、接触皮膚炎は大きく「刺激性」と「アレルギー性」に分けられています。
- ▶ 刺激性:触れた物質の刺激そのものによって起こるタイプ
- ▶ アレルギー性:体が特定の物質を覚えてしまう(感作)ことで起こるタイプ。同ガイドラインでは、刺激性と異なり「微量」でも皮膚炎を起こしうると説明されています
どちらのタイプなのか、何が原因なのかを見た目だけで判断することはできません。「ジェルネイルのあとに出た」という順番だけで原因を決めつけず、皮膚科で診てもらうことが大切です。
かぶれのサイン|かゆみ・赤みが出やすい場所
接触皮膚炎では、かゆみやヒリヒリ感をともなって、赤み・ぶつぶつ・小さな水ぶくれなどが現れます。ジェルネイルの施術後に、次のような変化がないか確認してみてください。
- 爪のまわりや指先がかゆい、ヒリヒリする
- 爪のまわりの皮膚が赤い、ぶつぶつしている
- 小さな水ぶくれができている
- 指先だけでなく、まぶたのあたりもかゆい・赤い・腫れぼったい
まぶたに出ることもある
意外に思われるかもしれませんが、同ガイドラインの「化粧品皮膚炎の発症部位と予想される化粧品の種類」の表では、ネイル化粧品が「手指(爪のまわり)」の欄だけでなく、「眼瞼(まぶた)」の欄にも挙げられています。同ガイドラインでは、まぶたでは小さな水ぶくれよりも赤みと腫れが目立つと説明されています。目元をよく触る方は、指先とまぶたの両方に症状が出ていないか見てみてください。
また、同ガイドラインには、触れたものが原因のじんましんが触れた場所以外にも広がり、重いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)に至る場合もあると書かれています。全身に広がるじんましん、顔やまぶたの強い腫れがあるときは、皮膚科の予約を待たずにすぐ医療機関を受診してください。息苦しさがあるなど急を要するときは、ためらわず119番に連絡しましょう。
かぶれたかもと思ったら、まずやること
セルフジェルの場合は、まずその製品の使用をやめてください。そのうえで皮膚科を受診しましょう。日本ネイリスト協会「ジェルネイル製品を安全に正しく使用するために」でも、皮膚にかゆみ、発赤、発疹などの異常が現れた場合は皮膚科専門医等に相談するよう呼びかけられています。また、使用中に異常が生じた場合は「ただちに使用を中止し」とされています。
受診のときは、次のことを伝えられるようにしておくと、医師に状況が伝わりやすくなります。
- いつ施術したか、症状はいつから出たか
- サロンでの施術か、セルフジェルか
- 使った製品の名前(わかる範囲で。容器や箱の写真があると便利です)
- 以前にもネイルやほかの化粧品でかぶれたことがあるか
原因を確かめるための検査(パッチテストなど)について、医師に相談することもできます。サロンで施術を受けた場合は、サロンにも症状が出たことを知らせてください。
自己判断でしないほうがよいこと
症状が気になると早く何とかしたくなりますが、次のことは避けたほうが安心です。
- ▶ ジェルを無理やりはがす:日本ネイリスト協会も「ジェルネイルを無理やり剥がしてはいけません」としています。爪を傷める原因になります
- ▶ かゆいところをかき続ける:皮膚を傷つけるもとになります
- ▶ 症状があるまま、次のジェルを重ねる:原因がわからないうちに同じ施術を続けるのは避けましょう
ジェルを外すかどうか、どう外すかも含めて、まずは皮膚科で相談してください。爪のまわりに赤みや傷があるうちは、アセトン(リムーバー)を長く当てるセルフオフは避け、外し方は医師やサロンに相談しましょう。症状が落ち着いてからのオフの方法は、ジェルネイルのオフ方法|セルフとサロンの違い・爪を傷めないコツで解説しています。
かぶれたあと、次のネイルはどう考える?
日本ネイリスト協会の注意事項では、次の方は「ご使用にならないでください」とされています。その最初に挙げられているのが、今までにジェルネイル製品等でカブレたことのある方です。
- 今までにジェルネイル製品等でカブレたことのある方
- アレルギー体質の方、指先の皮膚が過敏な状態にある方
- 極端に薄い爪や、爪にダメージのある方
- 爪周囲の皮膚が腫れていたり、炎症や傷等のある方
- 爪周囲の皮膚に皮膚疾患のある方
一度かぶれたことがある方は、ジェルネイルを再開することを前提にせず、今後のネイルとの付き合い方を皮膚科の医師に相談してください。
「マニキュアなら大丈夫」とは限らない
ジェルをやめてマニキュアに切り替えれば安心、とは言い切れません。接触皮膚炎診療ガイドライン2020では、ネイル化粧品に関連して最も頻度の高いアレルゲンとして、マニキュアに含まれる成分(tosylamide formaldehyde resin)が挙げられています。何に反応しているのかは人によって違うため、切り替えを考えるときも医師に相談すると安心です。
お休み期間は、素爪と手肌をいたわる時間に
カラーをお休みしている間も、爪の形を整えたり、保湿を続けたりすることはできます。手肌の荒れが気になる方は手荒れ・ささくれを防ぐハンドケア|三沢のネイルサロンが教える秋冬の習慣も参考にしてください。ただし、症状が出ているうちは、新しいクリームやオイルを試すのも医師に確認してからにしましょう。
セルフジェルで気をつけたいこと
セルフジェルの場合は、製品の使い方を守ることが大切です。日本ネイリスト協会の注意事項では、「ジェルネイルが皮膚に付着したままの状態は、カブレを起こす場合があります」としたうえで、次のような使い方を示しています。
- ジェルは爪のみに塗り、爪のまわりの皮膚にはみ出さないようにする
- 皮膚に付いてしまったら、速やかに拭き取る
- ジェルネイル専用ライトを用いて、適切な時間を守って硬化させる
- ベースジェルを塗って硬化させてから、カラー・トップの順に塗る
- 換気をしながら使い、火気の近くでは使わない(「火気厳禁」とされています)
- 使用中に異常が出たら、ただちに使用を中止して皮膚科専門医等に相談する
製品ごとの使用方法(ライトの種類や硬化時間など)は、必ずその製品の説明書を確認してください。セルフネイル全体の基本手順はセルフネイルで失敗しないコツ|プロのネイリストが教える基本手順でまとめています。
サロンでの施術前に伝えてほしいこと
ネイルサロンで施術を受けるときは、次のことを施術前に伝えてください。言いにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、安全に施術を受けるための大切な情報です。
- これまでにジェルネイルやマニキュア、ほかの化粧品でかぶれたことがあるか
- アレルギー体質かどうか、皮膚科などで治療中かどうか
- いま爪のまわりに傷・赤み・かゆみがないか
施術中にかゆみやヒリヒリ感など、いつもと違う感覚があったときも、遠慮なくその場でお知らせください。当サロンのメニュー(ジェルネイル・ネイルケア・ハンドケア・オプション)やサロン情報は、Nail Salon ‘emのメニュー・サロン情報でご覧いただけます。かぶれたことがある方は、ご予約の前に皮膚科の医師にご相談ください。
ジェルネイルのかぶれは、我慢せず早めに皮膚科へ相談することがいちばんの近道です。原因がわかれば、これからのネイルとの付き合い方も考えやすくなります。指先の違和感に気づいたときは、ひとりで悩まずに医師を頼ってくださいね。
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